新評価システムの開発

新評価システムの開発》

独自に開発した指数(Index)による事業の客観的評価

【研究内容】

 本校は第4期まで、事業評価は主にアンケート調査の集計・分析・考察であったが、継続的に事業改善を行うために、第5期から、新たに事業の各項目について独自に開発した指数(Index)で事業の客観的評価を行い、それとアンケート評価を総合して事業改善を行うPDCAサイクルを確立させることとした。
 この方法は、カスタマイズすることで、他の学校でも活用できると考えている。

【方法】※第5期(令和2年~令和4年)の研究開発内容をもとに例示している。
 事業評価の大項目として、本校の目指す大きな3本柱をもとに、「Generalist Index」「Specialist Index」「Leadership Index」を設定し、それらの事業の中の小項目ごとに独自に開発した指数を設定し、その指数で事業評価を客観的に行う。

Advanced Science Index (ASI)の開発】
 本校の事業計画に沿って、カテゴリーを「Generalist」「Specialist」「Leadership」に分け、さらに大項目として事業計画に掲げている内容について、本校独自の評価基準と指数を設定する(表1)。
 本校のSSH事業内での重みを考慮し、「Specialist」「Generalist」は各40点満点、「Leadership」は20点満点、合計100点満点とした。
 また、総合得点を「Advanced Science Index (ASI)」と命名し、該当年度の目標値に対する評価値をレーダーチャートにまとめて視覚的に総括する。

表1 Advanced Science Index (ASI)による事業評価    EXCELファイル(ダウンロード)

※目標値(令和2年度目標値) 評価値(令和2年度事業実施後の評価値)






図1 Advanced Science Index (ASI)による事業評価-レーダーチャート-
※目標値(令和2年度目標値) 評価値(令和2年度事業実施後の評価値)

 令和2年度の本校のASI
の目標値は96であったが、それに対して評価値は63であり、達成率は65.6%であった。
 今年度は新型コロナウイルス感染症防止の観点から、多くの事業が中止を余儀なくされ、特に「2 国際性育成の進化」は目標値を当初から下げざるを得なかった。また、愛媛大学との高大連携事業や高大接続科目などもほとんど中止となった。それらの影響もあり、ASIの目標値96に対して評価値は63となり、達成率にすると65.6%となった。そのような状況の中で「Leadership」の指数は満点となり、リモート研修や発表会に積極的に参加するなど、普及活動は充実した1年間だったと言える。











独自に開発した指数(Index)で事業の客観的評価の有効性
 独自に開発した指数(Index)における評価基準は、本校がこれまで蓄積してきたことを生かし、客観性を持たせた数値化を図った。
 本校が事業計画を見直し、PDCAサイクルを回すためのツールとしては有効であると考えている。
 従来のアンケート調査は生徒・保護者・教職員の意識調査に留まり、事業評価の指標としては優れているとは言い難い。
 独自に開発した指数(Index)は誰が見ても本校SSH事業が目標をどの程度達成できているかを分かりやすく示しており、事業全体を見渡して課題を視覚的かつ明確に提示できていると考えている。
 この指数による評価と、アンケート評価を組み合わせて、事業評価とすることで、事業改善がスムーズにできる。
 今後は、
独自に開発した指数(Index)における評価基準を、より適切な数値に改善していくとともに、改善した評価基準(数値)で過年度比較をしながら、より客観性を高めた事業評価としていきたい。
 また、この方法は、カスタマイズすることで、他の学校でも活用できると考えるので、本評価方法をさらに改善し、他校に普及していきたい。