課題研究論文技能テスト

 独自開発のスコア方式による課題研究論文技能テスト

 課題研究の過程で生徒が身に付けた能力の経年比較に向けて開発した
スコア方式による課題研究論文技能テスト

【研究内容・方法・検証】
 理数科生は3年間で合計6単位のSS(スーパーサイエンス)を履修して課題研究に取り組む。
 その過程で文献調査、研究計画、実験、データ整理、図表の作成、そして科学論文を執筆するなど多くのスキルを身に付けてきた。
 その能力を図るために、スコア方式の技能テストを作成し、そのスコアを経年比較することで我々教員の指導力向上につなげることが可能となる。令和2年度の理数科3年生を対象に、以下のようなテストを実施し、課題研究論文技能を評価した。

(ア)テスト内容
 過去の高校生が作成した未熟な論文(掲載は省略)をテキストとし、以下のような問いを設定した。

<問> 配布した資料は、ある課題研究の論文である。研究論文の書き方や、図表の作成、考察など、不十分なところが5つある。どこが不十分かを指摘し、改善方法を示しなさい。ただし、不十分だと思われる箇所は大項目「1.課題設定の理由」~「7.参考文献」の項目番号で答え、改善方法は文章で説明しなさい。

(模範解答省略)

(イ)配点・採点・評価基準
 項目番号(番号)と改善方法(記述)で完全正答2点、5箇所で合計10点満点とし、スキルのカテゴリーは「参考文献」「図表作成」「データ処理」の3つに集約した。採点はSSH推進課(3年理数科担任)が行い、模範解答に従って採点を行った。なお、この資料は来年度以降も同じものを使用し、経年変化を検証していく予定である。

(ウ)評価結果
 実際に採点してみると、生徒たちは実験の細かい条件設定などの改善点を指摘している内容が多く見られ、模範解答のようないわゆる「お作法」のような部分について解答する生徒が少なかった。結果は次図に示すように、各スキルカテゴリーは平均0.86~1.0点、スコア合計は平均2.9点となった。

                   
(エ)考察と今後の課題
 理数科生は1年次から課題研究に取り組み、普通科生に比べても実験やデータ処理のスキルは高いと言える。技能テストを振り返ってみると、評価の観点からは外れているが、資料に載せた未熟な研究に対して、実験条件や図表のレイアウトについてかなり具体的な改善点を指摘している生徒も多かった。
 その一方で、参考文献や図表のキャプション、グラフの単位の欠陥に気付く生徒は少なかった。優れた視点や研究スキルは向上しているが、それを科学論文としてアウトプットするスキルが不足していることが露呈された。
 我々指導教員も論文作成指導の中でこれらのスキルを身に付けさせることができていないことを反省した。来年度はこれらのスコアを確実に向上させ、各種論文コンテストでさらに好成績を収めることができるように指導方法を改善していきたい。