高大連携

《松山南SSH事業 高大連携

◆令和3年度 NPOえひめ教育支援ボランティア、名古屋大学と連携した「海洋環境プログラム」を実施


 令和4年1月26日(水)、松山南高校、NPOえひめ教育支援ボランティア、名古屋大学が連携した「海洋環境プログラム」を実施し、理数科1・2年生が参加しました。はじめに、今回、本プログラムの連携を計画・支援していただいた、えひめ教育支援ボランティア代表の畑野智司様から本プログラム実施の経緯や名古屋大学石坂先生の話をしていただきました。
 次に、名古屋大学宇宙地球環境研究所 教授 石坂丞二先生の
「宇宙から見た海洋環境の状況~温暖化から貧栄養化・プラスチック~」の御講演がありました。海洋環境について宇宙からの観測・調査・分析で様々なことが分かることについて、生徒たちに分かりやすく、興味深い講義をしていただきました。普段、海洋についてあまり考える機会がなかった生徒も、海洋環境やプランクトン等に興味関心を持つことができ、講義後、生徒は石坂先生に多くの質問をしていました。
 その後、海洋環境に関する研究をしている松山南高校理数科2年生3グループの生徒研究発表が行われました。
「ネギボウズによる海洋汚染物質の除去」理数科2年生 ネギボウ’s班
「日本近海における貝類の漁獲量変化と北上化」理数科2年生 海洋班
「海洋プラスチックへの有害物質の吸着」理数科2年生 SSHプラスチック班
 発表後、石坂先生からは、生徒の発表に関して、具体的で適切な指導助言をいただき、生徒は石坂先生のアドバイスを丁寧に書き留めていました。
 えひめ教育支援ボランティア(共同代表 北須賀逸雄氏、畑野智司氏)は、学校教育支援事業として、学校教育支援ボランティアの派遣(教職員および児童生徒に対する講話・講演等)を行っています。今回、本校生徒が「海洋環境」に関する意識や考えを深めるために、名古屋大学宇宙地球環境研究所 教授 石坂丞二先生と連携していただき、本プログラムを実施することになりました。北須賀様、畑野様、石坂様、本当に素晴らしく、貴重な機会をいただき感謝いたします。

                             


◆令和3年度 愛媛大学研究室体験(教育学部・理学部・工学部・農学部・医学部の16の研究室で実験・実習)

 令和3年度12月22日、12月23日実施
 目的 大学の各研究室で実験・実習を行うことで、学術的価値の高い研究に触れその手法を学ばせると共に、自らの進路選択における重要な経験とさせる。
 


令和2年度の実施については、令和3年1月27日、28日に延期したが、その後、本年度の愛媛大学研究室体験は中止となった。

◆令和元年度 愛媛大学研究室体験(教育学部・理学部・工学部・農学部・医学部の16の研究室で実験・実習)

(1)目的
  大学の各研究室で実験・実習を行うことで、学術的価値の高い研究に触れその手法を学ばせると共に、自らの進路選択における重要な経験とさせる。
 
 (2) 内容

       令和元年10月23日(水)午後、24日(木)午後
  対象 理数科2 年生全員・普通科3 年生希望生徒
  場所 愛媛大学 教育学部・社会共創学部・理学部・工学部・農学部・医学部・沿岸環境科学研究センター・プロテオサイエンスセンター・学術支援センター
  活動内容
  愛媛大学との高大連携事業の一環として、上記の学部・研究センターの16の研究室に生徒2~5 名ずつ訪問し、研究内容に関する講義や説明を聞き、実験や実習を行う。
  毎年、大学の先生や大学院生の方々が丁寧に対応していただき、また、人数に応じた実験内容や実習テーマを用意していただきくなど配慮していただいている。
  生徒たちも高校での授業やスーパーサイエンスでの課題研究とはまた違ったレベルの高い実験等に大いに興味を持ち、積極的に質問し、学ぼうとする姿勢が見られる。
  この体験をこの機会だけのものとせず、今後の進路選択や、課題研究の進め方等に生かしていく。
  過去の先輩方にはそのようにこの機会を活用した例もたくさんおり、そのような機会にしていく。




  
 
 
 
 


◆高大連携授業(物理、化学、生物、地学、数学、農学、工学、医学の講義・実習を受講)

令和3年度愛媛大学高大連携授業

令和3年11月18日(木)、25日(木)午後に今年度2回目の愛媛大学の先生がたによる高大連携授業が開催されました。


1年生理数科 物理講座 「プラズマエネルギーのすべて」理工学研究科 教授 前原常弘 先生
1年生理数科 生物講座 「基礎から分かるウイルス感染症と愛媛大学プロテオサイエンスセンターにおける取組」愛媛大学プロテオサイエンスセンター 准教授 髙橋宏隆 先生

2年生理数科 医学・生命科学系講座 「細胞障害による疾病のなりたちと高大連携と総合型選抜の意義」医学系研究科 教授 増本純也 先生
2年生理数科 工学系講座「地球に優しい水素エネルギーの話」理工学研究科 教授 板垣吉晃 先生


昨年度と今年度第1回の高大連携授業では大学への訪問が叶いませんでしたが、第2回では、愛媛大学に訪問しての連携授業を行う事ができました。
各分野において、今抱えている課題、それを解決するための方法、研究が進むことで期待される効果など、先生がたの各ご専門の研究内容を踏まえて分かりやすくご教授いただきました。課題研究に取り組んでいる理数科生徒にとって、研究の意義を直に感じることができた良い機会となりました。愛媛大学の先生方、ありがとうございました。本校理数科生徒もSSH事業を通して科学者としての素養を身につけることができるように頑張ります。

        


 令和3年9月16日(木)、理数科1、2年生の学校設定科目「スーパーサイエンス」の時間に、愛媛大学と連携し、高大連携授業が行われました。
 1年生は化学・地学領域の2つの講座、2年生は農学・数学領域の2つの講座がそれぞれ開講され、大学の先生に約120分のオンライン授業をしていただきました。
 一人一台端末を活用しながら大学の先生の講義を受けました。
◆1年化学領域 講師:国末達也先生 愛媛大学沿岸環境科学研究センター教授 演題:「内分泌かく乱化学物質」
◆1年地学領域 講師:亀山真典先生 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター教授 演題:「物理の目で地球や惑星の中をみる-固体地球惑星物理学-」
◆2年農学領域 講師:高山弘太郎先生 愛媛大学大学院農学研究科食料生産学専攻教授 演題:「植物診断技術による食糧生産のスマート化」
◆2年数学領域 講師:山内貴光先生 愛媛大学大学院理工学研究科数理物質科学専攻教授 演題:「実数と無限小数(大学で学ぶ数学に向けて)」
 普段知ることができない大学での最先端の科学研究や、テクノロジー開発について分かりやすくお話をしていただきました。講義内容に関心を持ちながら研究や学問の面白さを学ぶとともに、研究に取り組んでいる先生の姿勢も学ぶことができました。先生方、ありがとうございました。
       



令和2年度高大連携授業(本年度は、大学の先生が本校に来校)


①高大連携授業 生物

セントラルドグマについて関心を持ち、無細胞タンパク質合成について学習する。大学の研究施設を見学し、バイオテクノロジーについて学ぶ。
◆内容 対象 理数科1 年生 
◆場所 愛媛大学プロテオサイエンスセンター
◆活動内容
愛媛大学の林秀則教授から、セントラルドグマの仕組みや、コムギ胚芽を利用した無細胞タンパク質合成についての講義を受けた。実際に生徒一人1セットの実験キットを使って、卓上のマイクロチューブ内にてオワンクラゲ由来のGFP を発現させ、ブラックライトでその発現を確認した。後半は、4研究室から2研究室を選択し、研究室の見学をした。赤血球にマラリアを感染さえた様子を確認したり、タンパク質の電気泳動の様子を見たり、最先端技術に触れる時間となった。
 

②高大連携授業 地学
科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。地球環境に関する新しい知見を広め考察できる基礎力を養成する。
◆内容 対象 理数科1年生 場所 愛媛大学理学部
◆活動内容
愛媛大学教授である亀山真典先生による「物理の目で地球や惑星の中をみる」というテーマで、地球深部に関する講義が行われた。理数科1年生は、地学の授業を履修していない。そのため、前日のサイエンスクラブで地震波解析と地球内部の構造についての基礎内容を学習した。講義では、地球の表層からマントル、核など地球深部の化学的・物理的性質や構造など、最新の研究成果を踏まえながら説明がなされた。その後、4つの班に分かれて、研究生の引率による施設見学を行った。愛媛大学の特徴である超高圧高温実験装置をはじめ、化学分析装置やX 線結晶構造解析装置について、それぞれの仕組みや測定方法の説明を受けた。            
 



③ 高大連携授業 物理
電磁誘導に関する現象の観察や学習を通して、科学に対する興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせることができる。
◆内容 対象 理数科1年生  場所 松山南高等学校 物理第2実験室
◆活動内容
愛媛大学大学院理工学研究科の神森達雄准教授を本校にお招きし、「電磁誘導と超伝導」の講義をして「マイスナー効果」の観察後、超伝導現象に関する実験をしていただいた。前半の講義では、ネオジム磁石が銅製・真鍮製の筒の中に落下する様子や、磁石が銅製の斜面をすべり下りる様子を通して、電磁誘導という現象について説明をしていただいた。また、その磁石を使って手を触れずに大きなアルミニウム円盤を回したり、逆に円盤上に磁石を置き円盤を回転させたりする実験を通して電磁誘導に関する知識を深めることができた。また、後半は超伝導体を液体窒素によって冷却し、超伝導状態にすることで磁石を宙に浮かせる「マイスナー効果」の観察を行った。ほとんどの生徒がこの現象を実際に見るのは初めてで、大変興味深そうに観察していた。電磁誘導や超伝導現象は非常に高度な内容であるが、実験・観察を交えながらの分かりやすい説明で、生徒も難しい内容をよく理解できたようであった。仮説にある研究者・技術者の素養を身に付けるという点でも満足できる内容であった。
 

④ 高大連携授業 化学
科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。高大連携を通して、環境科学に関する新しい知見や地球環境問題について考察できる基礎力を養成する。
◆内容 対象 理数科1年生 
場所 愛媛大学城北キャンパス(生物環境試料バンク・理学部研究室)
◆活動内容
沿岸環境センター国末達也教授の講演を聞いた。内容は、内分泌攪乱物質についての世界の現状・動物にどのような影響を与えているかであった。講演終了後、二班に分かれ、理学部の研究室と、生物環境試料バンクの見学を行った。理学部の研究室では、学生や院生が実際に実験装置を用いて実験を行う様子を見ることができた。また生物環境試料バンクでは、世界中から集められた1500種、10万点の動物の標本が保存されている。凍ったペンギンやスジイルカも触ることでき、生徒は興味深そうに観察したり、質問したりしていた。
 



⑤ 高大連携授業 数学
大学の数学に触れることにより、視野を広げ考を深める。また、高校から大学への数学の接続について考える。
◆内容 対象 理数科2年生 場所 松山南高校会議室
◆活動内容
「無限の“個数”を考える」というテーマで、愛媛大学の山内貴光准教授に講義をしていただいた。演習も取り入れていただき、個別学習、協働学習、一斉学習の順で、生徒は思考を深めていった。いきなり大学の内容に入るのではなく、高校で習ったことから大学数学への入口を丁寧に教えていただいた。普段考えない「数」や「個数」についての意味を考えることで、数学の概念を育み、ものの見方・考え方が深まった。生徒は大変意欲的に、興味深く取り組んだ。
 

⑥ 高大連携授業 農学部
大学での授業や研究施設の見学を通して科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。
◆内容 対象 理数科2年生  場所 愛媛大学農学部
◆活動内容
9月14 日(木)に愛媛大学農学部で高大連携授業が行われた。農学部内には大規模にトマトを栽培する植物工場の施設がある。この施設では農作物の安定した供給を図るために、人間が長年農業をして培った光や温度、水の加減といった「勘」を機械的に管理しようという研究が進められている。日本の大学に附属した植物工場は3校しかない。中でも愛媛大学は大学発のベンチャー企業「PLANT DATA JAPAN」を設立するなど、熱心に取り組んでいる。講義をしてくださった高山弘太郎準教は高校生の目線に立ち、物理的なアプローチから成り立つ農業の魅力について丁寧に教えてくださった。植物工場内では、試作を重ねて実用化された分析機器が実際に動いている様子を観察した。生徒らからは青色の光は植物にとって有効だが、人間の目には悪影響があるのではないか?などの質問がなされた。生徒たちはこの講義を通して「食」に関わる研究の重要性をしっかり学んでいた


⑦ 高大連携授業 医学部
大学での授業や研究施設の見学を通して科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。
◆内容 対象 理数科2年生  場所 愛媛大学医学部
◆活動内容
まず、臨床腫瘍学講座 薬師神 芳洋 教授から「日本人の2人に1人(50%)が「がん」になる時代です」というテーマで、がんの特性とがん治療に伴って生じる様々な問題について、御指導いただいた。続いて、分子心血管生物・薬理学講座 茂木 正樹 准教授から「日頃の疑問を解き明かそう!「医学部での研究紹介」」というテーマで、医学部における臨床医療と基礎研究の関連性や、血管の老化と生活習慣病、脳の老化とは何か、について御指導いただいた。限られた時間ではあったが質疑も活発に行われた。講義後は、5つの部門に分かれてプロテオサイエンスセンターを見学させていただいた。
 

⑧高大連携授業 工学部

大学教員による講義や実習を通して科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせるとともに、工学に関する知識について考察し、今後の学習活動や学校生活に生かす態度を身に付けさせる。
◆内容 対象 理数科2年生 場所 愛媛大学工学部
◆活動内容
工学部機械工学科の水上孝一助教に「先端材料と非破壊検査」及び「先端材料」に関する講義をしていただくとともに、実験の体験を行った。講義では非破壊検査とは何か、から始まり、検査の重要性を身近な例を通した説明があり、材料力学の観点から材料が壊れていくメカニズムや工業で用いられる非破壊検査の方法について専門的な内容をわかりやすく説明していただいた。先端材料については、近年、機械等の軽量化や低コスト化のため役立つ素材であり、今後の開発が期待されている炭素繊維強化プラスチックに関する内容の講義をしていただいた。実験では、工業分野で用いられる「渦電流探傷実験法」を先生方の指導の下、生徒が実際に体験した。表面に傷をつけた金属板を紙で覆い、コイルに起こる電磁誘導を利用して傷の位置を特定する実験を行った。生徒は、物理の授業で学習した内容が検査に利用されていることを肌で感じることができ、とても感銘を受けていた。講義の最後には大学での学びについて、工学部と理学部の違いや機械工学での学習内容、また学問を進めていく上での重要な心構えなど、先生自身の経験を交えたアドバイスをしていただいた。