お知らせ

SSH卒業生(第1期・第2期)が大学教員として勤務する研究室との連携

第2期SSH卒業生(愛媛大学大学院農学研究科・大学教員として研究)石田萌子先生の指導助言
 本校が第2期SSHの時の卒業生の石田萌子先生は、現在、愛媛大学大学院農学研究科で大学教員として、研究をされています。
 先生の所属は、生命機能学専攻 応用生命化学コース 動物細胞工学教育分野で、動物細胞だけでなく,実験動物やヒトを対象にして食品の機能性を研究されています。第5期から石田先生の研究室と連携し、指導を受けながら課題研究を行っています。
 
〇令和3年7月18日
 理数科2年生のSS発芽玄米班の5名は、愛媛大学大学院農学研究科助教の石田萌子先生(本校第2期SSHを経験された理数科の卒業生)の研究室を訪問し、実験指導をしていただきました。新型コロナウイルス感染症対策のため、これまでは、オンラインでお話を聞いていましたが、実際に石田先生の研究室を訪問でき、大変うれしく思いました。
 まず、研究室前に貼られている研究ポスターに驚きました。多くの
食品の機能性について研究されておられることを改めて知り、感動しました。
 その後、実験結果の説明をうかがい、タンパク質の定量実験を行いました。お忙しい中、長時間にわたり、ご指導いただきありがとうございました。また、細胞培養の実験も見せていただきました。本格的な実験を身近で見たり体験したりすることができ、時間が経つのを忘れるくらいでした。
               

〇令和3年4月28日
 4月28日、理数科2年生のSS発芽玄米班は、愛媛大学大学院農学研究科助教の石田萌子先生とオンラインミーティングを実施しました。石田先生は、本校第2期SSHを経験された理数科の卒業生でいらっしゃいます。
 班員が立案した研究計画の中から、免疫機能に関する専門的な実験操作を石田先生に行っていただきました。今日は、その実験結果についての情報を共有していただきました。班員は活発に質問をし、先生から今後の方針についてアドバイスを頂きました。
 大学で第一線の研究や大学生の指導をされている南高の先輩から専門的なご指導をいただくことができ、学びの多い、大変貴重な時間となりました。石田先生、ありがとうございました。
           

〇令和3年1月22日
 本校理数科1年生が、発芽条件を変えながら発芽玄米を生育させ、その抗アレルギーについて研究を考えています。
 現在、愛媛大学に行って直接指導を受けることができないため、令和3年1月22日、オンラインで、研究の進め方について、専門的見地から御指導いただき、これからの方針を明確にすることができました。
   


〇令和3年1月28日(木)
 本校が第2期SSHの時の卒業生で愛媛大学大学院農学研究科で大学教員として、研究をされている石田萌子先生に、
本校理数科2年生の生徒が研究の指導を受けました。植物色素であるアントシアニンを安定化させた後、その抗アレルギーについて研究を進めていくうえで、どのように研究を進めていくかについて、アドバイスしていただきました。
       



SSH卒業生活躍事例集(文部科学省・科学技術振興機構が作成,全国で20名が掲載)に本校SSH1期卒業生萬井知康氏と2期卒業生石田萌子氏の2名が紹介されました





お知らせ



第1期SSH卒業生(コネチカット大学アシスタントプロフェッサー)萬井知康先生と連携した課題研究の推進

 
令和4年2
月6日(日)12:00~ 本校SSH第1期卒業生の萬井知康先生(アメリカ在住、コネチカット大学アシスタントプロフェッサー)と理数科2年生17名が、オンラインで交流会を行いました。第1部では、本校代表グループ「ネギボウs」と「ビタミンC班」が研究発表を行い、それに対して萬井先生の方から、指導助言をいただきました。萬井先生の方から、今後の研究の発展につなげることができる具体的でかつ分かりやすい助言をいただくことができました。発表以外の生徒たちにとっても、課題研究を進めていく上で必要な研究の手法における重要なポイントや、発表やポスターにおける「見せ方・伝え方」のポイントなどについて丁寧に教えていただきました。第2部では、本校生徒からの質問に萬井先生に答えていただく座談会を行いました。「海外では英語がどれほど重要か?」「萬井先生の研究内容について」「たくさんの興味関心があることからどのように優先順位をつけて取捨選択をしていけば良いのか?」などの質問に対して萬井先生ご自身の経験を踏まえながら、回答をいただきました。最後に萬井先生から、理数科2年生に向けて「実験ができるときに研究をしっかり行うこと」「大学を偏差値だけで考えるのではなく、大学進学後の自分の人生を思い描いて大学を選び、そこに向かってこれからの勉学に励んで欲しい」と心強いメッセージをいただきました。本日の交流会で得たことを、今後の課題研究や進路実現に生かしていこうと思います。
      


第1期SSH卒業生(コネチカット大学アシスタントプロフェッサー)萬井知康先生と協同して企画するアメリカ海外研修
 (H30より新規に実施)
 
平成30年度から、アメリカ海外研修として、本校第1期SSH卒業生の萬井知康氏がアシスタント・プロフェッサーとして勤務している州立コネチカット大学を訪問
する。これは本校独自の事業であり、SSH 校として4期17 年にわたり本校が培ってきたメンター制度を海外においても活用し、今後も継続的に交流することにより、本校が掲げる「持続可能な科学教育(SESD:Science Education for Sustainable Development)」の充実を図ることを目的としている。
この研修によって、課題研究や英語でのプレゼンテーションの機会が増え、生徒の英語力の伸長が期待できると同時に、生徒の科学に対する興味・関心が深まることが期待できる。また、事前・事後を通じてインターネットを用いた継続的な交流活動を行うことで、さらに充実した研究成果が期待できる。

令和元年度SSHアメリカ海外研修
対象 理数科2年生4名 普通科2年生1名
日時 令和元年10月28 日(月)~11月2日(土)4泊6日
場所 アメリカコネチカット大学

令和元年10月29日(火)
 本日は州立コネチカット大学を訪問しました。本校SSHの卒業生である萬井知康先生が勤務される化学科で、コネチカット州のWoodstock Academyの生徒さんと一緒に活動をしました。
 まず、本校生徒が課題研究の発表を行いました。5名中3名は英語での口頭発表の経験はありましたが、ネイティブの人に対する発表は初めてで、緊張しながらの発表となりました。質疑応答では多くの質問がありましたが、相手がゆっくりと分かりやすい表現で質問をしてくださったおかげで意味が分かり、上手に受け答えをすることができました。
 続いて、萬井先生の指導による、緑色レーザーを利用した、分子のエネルギー吸収・発光反応の実験実習を行いました。
 初めに先生から原理の説明があり、グループに分かれて実験を行いました。すべてが英語で行われるため、初めは戸惑っていましたが、Woodstock Academyの生徒さんが積極的な働きかけによりグループに溶け込むことができ、最後は多くの生徒と意見を交わすことができました。
 実験後は、化学科全体と萬井先生の研究室を見学させていただいた後、学科の内容やアメリカの大学のシステムなどについて、座談会形式で意見交換を行いました。明日も萬井先生のご指導を受ける予定です。

 惑星班の研究発表

 実験方法について確認中

 実験の様子

 萬井先生の研究室で実験器具の見学 

萬井先生・研究室の皆さんと一緒に



平成30年度SSHアメリカ海外研修
【研修日程】
 平成31 年2月4日(月)~平成31 年2月9日(土)(4泊6日)
【主な訪問先等】
 ① 州立コネチカット大学
 本研修では、化学科を訪問し、本校SSH1期生で、コネチカット大学助教授である萬井氏の専門である物理化学分野の講義を受講したり、実験を見せていただく。また、現地大学生より課題研究の研究内容についてアドバイスをもらう。


 コネチカット大学の先生方とともに(左から3番目が本校SSH1期生 萬井准教授

 
    萬井先生の講義を受講                   萬井先生の研究室

 
             萬井先生の研究室で研究内容の説明を受ける

 
              萬井先生の研究室の学生さんに説明を受ける


             研究室のみなさんと(一番右が萬井先生)




トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」による州立コネチカット大学留学報告
(本校SSH1期生萬井知康氏が勤務する大学への留学) 令和元年 7/5~8/19(41日間)


 理数科3年の池田夢叶さんが、文部科学省主催の「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム高校生コース」に選抜され、アメリカ合衆国コネチカット州で約6週間の研修を行いました。
 池田さんは、昨年度本校が実施したSSHアメリカ海外研修(H31.2/4~H31.2/9)で、本校SSH1期生の萬井知康氏がアシスタント・プロフェッサーとして勤務している州立コネチカット大学を訪問(下記写真 右端が萬井先生、右から2番目が池田さん)した際の経験で、再度、コネチカット大学を訪問し、研究したいという気持ちが強くなり、上記のプログラムに応募し、採択され、アメリカに41日間留学しました。

(右端がSSH1期生萬井知康 先生、右から2番目が池田さん)

以下、池田さんからの現地レポートです。萬井先生のもと、貴重な経験をしました。

 

「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム高校生コース」


現地からの留学レポート①《第1週目》

 7月6日(土)に成田空港を出発し、ワシントン経由でハートフォードに到着しました。コネチカット州と日本の時差は、現在サマータイムで-13時間です。日本とは昼夜がほぼ真逆で、最初は時差ぼけで困りました。屋外は日差しが強くてとても暑いのですが、室内はエアコンが効きすぎていて、長袖でいても寒いです。

 現在、「U Conn(コネチカット大学) Pre-College Summer」 に参加しています。大学内の寮に宿泊していますが、週ごとに部屋とルームメイトが変更されるというシステムです。第1週は地元の生徒がルームメイトでした。食事は毎日バイキング形式ですが、アメリカらしい食事で、日本の食べ物が少し恋しくなっています。

 第1週は「Data Science」の授業を選択しました。日曜日にオリエンテーションがあり、月曜日・水曜日・金曜日は授業とワークショップ、火曜日・木曜日は一日中授業です。毎日、夕食後にはいろいろなアクティビティがあります。

この一週間でたくさんの発見や驚くことがありました。参加しているのは、ほとんど現地の人です。もちろん日本人は私だけです。当たり前のことですが、英語を話す速さにとても驚いています。なかなか聞き取ることができないので、何度も聞き返しています。少人数での会話であれば、簡単に聞き返すことができますが、授業では聞き返すことができないので、とても困っています。でも、困っていると、近くに座っていたクラスメイトが何度も助けてくれました。

 「Data Science」の授業では、映画を例に用いて、「cosine similarity」(コサイン類似度:複数の文書などの類似性を表す指数)を求めました。キーボードでの入力が独特で、(私のキーボードは日本語、他の人たちはもちろん英語)とても苦労しましたが、先生がパソコンを貸してくださったり、まわりの人に助けてもらったりで、何とか頑張れました。そして金曜日にはプレゼン発表を無事に終え、一週間の授業が終わりました。土曜日はフィールドトリップでした。

 第2週は「Food Science and Technology」の授業を受ける予定です。

大学は迷子になりそうなほど敷地が広いですが、大学内を歩いているとビーバーや鹿に遭遇しました。コネチカット州は自然がいっぱいで、とてもいい環境です。

 

        大学構内の様子                        授業の様子    
    

          ある日の食事

             Session 1の集合写真




現地からの留学レポート②第2週目》

 第2週目は「Food Science and Technology」を選択しました。授業は講義が中心でしたが、火曜日と木曜日の午後はラボに行って実験を行いました。
 講義では、食品の背景にある科学技術を学び、健康的な食品の選択方法を考えました。実験では、紫キャベツを用いたpHの測定、アイスクリーム・チーズ・バター作りをしました。クラスメイトとの会話では、日本食のことについてたくさん聞かれ、とても話が盛り上がりました。
ワークショップは5講座受講しました。中でも「Pharmacy Compounding Workshop」が一番楽しかったです。研究室内で、原料の調合から薬を調合し、容器に入れて患者さんの名前を書くところまで、という製薬の体験をすることができました。

 ルームメイトは毎週変わるシステムで、今週はマサチューセッツ州から来た生徒と同じ部屋でした。彼女はとてもフレンドリーで親しみやすく、たくさん話したり、一緒にアクティビティに参加したりしました。そして日本の折り紙を紹介して、一緒に折りました。

 今週は、先週の失敗を生かして、最初に周りの人たちに「ゆっくり話して」とお願いしました。するとみんな、会話の中で分からない単語があった時は意味を教えてくれたり、簡単な表現に言い換えたりしてくれて、会話が弾み、新しいことの学びにも繋がっています。新しくできた友達とのグループチャットでは、アメリカの人たちが日頃使っている独特の表現や、省略した文章表現を学びました。
 また、アメリカのことをたくさん教えてくれて、アメリカらしい飲み物や食べ物に挑戦しました。その中でもアクティビティで行ったStorrs Centerのピザ屋さんに驚きました。なんと、自分で好きな具材・生地などを選ぶことができました。とても美味しかったです。

 第3週は「Digital Animation & Motion Graphics」の授業を受ける予定です。

  
        pHの測定                         薬の調合
 
     薬を容器に入れて完成                  閉講式にて



現地からのレポート③《第3週目》

 第3週目は「Digital Animation & Motion Graphics」を選択しました。授業ではアニメーションの基礎からフォントなどの効果について学び、2人1組でショートムービーの制作も行いました。作成したものをお互いに見せ合い、意見やアドバイスなどを交換しました。みんな次々と意見を述べて、いい話し合いができました。

 ワークショップでは “Connecticut Science Center” を訪問しました。とてもリアルな人体模型が刺激的で、筋肉・血管・骨など詳しく観察することができました。課題プリントがあって、理科で習ったことがある用語でも英語がわからないものが多く、問題は理解できたものの、解答を書くのに困りました。Space areaでは地球以外の場所での食べ物の重さのサンプルやプラネタリウムを見ているような映像を見ることができる場所などがありました。

 ルームメイトはカリフォルニアに住んでいる中国人でした。折り紙を体験してもらったり、お互いの言語について話したりしました。彼女は日本語にとても興味があるらしく、ひらがな・カタカナを書く練習をしました。漢字は中国語と同じものもあれば違うものもあるので、お互いにその漢字が表す意味を教え合いました。学校の話でも盛り上がり、日本・アメリカ・中国それぞれの学校の違いについても学びました。

 アンバサダー活動という活動があり、友達に茶道を披露し日本の文化の体験をしてもらいました。お湯がなかなか見つからなかったので、ダイニングホールでお茶を点てました。とても好評だったのでよかったです。

 第4週は「UConn Pre-College Summer」最後の週です。「Pharmacy: Explore the Field」の授業を受ける予定です。

  




現地からのレポート④《第4週目》

 第4週目は「Pharmacy: Explore the Field」を選択しました。今週は実験や病院訪問など、アクティビティがとても多い一週間でした。
 実験では、特にカプセル薬を作ったのが楽しかったです。2通りの方法でカプセル薬を作り、どちらの方法の方がよいのかを考えました。他にも、いくつかの違う物質を加えた薬を数種類作り、溶け方などを観察しました。
 木曜日に、UConn Health Center を訪問し、見学・体験しました。病院内の見学で驚いたことがたくさんあります。一番驚いたのは、薬の届け方です。カプセルに薬を入れてセットし、ボタンを押すだけでその場所まで届くということです。壁の中のレーンを通って薬が届くようになっていたり、薬を運ぶロボットもいたりで、とても便利だなと思いました。病院には2つのタワーがあり、新しい方のタワーは患者さんの部屋がすべて個室らしく、ガラス張りのため眺めがとても綺麗でした。廊下にはいたるところにテレビのモニターがあって、患者さんの血圧・心拍数などの情報がいつでも確認できるようになっていました。さすがアメリカ、最先端の技術だな、と感じました。

 アンバサダー活動第2弾として友達に茶道を披露して、お茶を点てる体験をしてもらいました。その後、抹茶をアイスクリームにかけたり、牛乳に入れたりいろいろと試してくれていて、みんな抹茶をとても気に入ってくれました。

 ルームメイトは先週と同じだったのでさらに仲を深めることができました。

 今週で、私の留学生活の第一部である「UConn Pre-college Summer」が終わりです。今考えてみると、アメリカに来てすでに4週間が過ぎました。特に最後の一週間は短く感じました。たくさんの人と出会い、たくさん学び、とても充実した4週間でした。一か月間通ったダイニングホールでのアメリカンなバイキングの食事、寮での生活はもう終わりです。
 来週からは第二部が始まります。ホテルでの生活、そして萬井さんの研究室で研究をさせて頂きます。新しい学びと発見がたくさんあるように、一日一日を大切に残りの期間も頑張ります。

   

   実験中、友だちと             薬の製作               


  
  UConn Health Centerの外観                 お茶のお点前です


 
現地からのレポート⑤《第5週目》

 今週は、本校SSH1期生の萬井知康先生が勤務しているコネチカット大学化学科の研究室で、光化学の研究をさせていただいています。
 学生さんと一緒に、Suzuki Coupling(鈴木・宮浦カップリング)法を用いて、BODIPY(boron-dipyrromethene:蛍光色素の一種)をもとにしたD-A(ドナーアクセプター)分子を精製しました。研究ではRotary evaporator(ロータリーエバポレーター)、Column chromatography(カラムクロマトグラフィー)を使用しましたし、見たことのない実験器具がたくさんあって驚きです。
しかし、もっと驚いたことがあります。アメリカでは試験管やピペットなどを一回使うと捨てています。日本では考えられないと思いました。毎日約6時間研究していますが、時間が経つのがとても速く感じて、充実した日々を送っています。

 先週までは大学の寮での生活でしたが、今週は大学内のホテルで生活しています。ホテルにはプールもあって、テレビの番組は(もちろん)全部英語なので、英語のリスニングの勉強にもなります。日本のアニメなどもたくさん英語版で放送されています。スーパーにも行きました。一つの食材だけでもたくさん種類がありすぎで、まだまだ驚きの連続です。

 *Suzuki Couplingとは、鈴木章氏が2010年にノーベル化学賞を受賞した、パラジウム触媒と塩基などの求核種の作用により、有機ホウ素化合物とハロゲン化アリールとをクロスカップリングさせて非対称ビアリール(ビフェニル誘導体)を得る化学反応のことです。

        萬井先生から御指導いただいています

  
     実験の様子                        カラムクロマトグラフィー


    ロータリーエバポレーターを使っています


現地からのレポート⑥《第6週目》最終週 

 今週も、先週に引き続いて本校SSH1期生でコネチカット大学アシスタントプロフェッサーを務められている萬井知康先生の元で研究をさせていただいています。
 毎日いろいろな実験器具を使って研究しています。まずはサンプルを作り、Spectrophotometer (分光光度計)を用いて吸収を測定したり、Fluorometer(蛍光光度計)を用いて発光を測定したりしました。最初はどの実験器具の使い方にも戸惑いましたが、何度も使ううちに手際よくできるようになりました。実験をすることよりも結果を分析することの方がもちろん難しく、萬井先生に御指導をいただきながら研究を進めています。
 週末は、萬井先生にショッピングモールやオーガニック系のスーパーなどに連れて行ってもらいました。お昼はハンバーガーを食べました。フライドポテトにチーズ!アメリカっぽくて、とても美味しかったです。

  
  萬井先生から実験の指導を受けている様子





現地からのレポート⑦

 萬井さんのところで行った、約2週間の研修では、分子を作るところから始まり、発光や吸収を測定するまで、という一通りの実験をすることができました。作りたいものが本当に作れているのかどうかを確認するために、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)を用いました。学生さんにもご指導をしていただいて TLC(薄層クロマトグラフィー)やColumn Chromatography(カラムクロマトグラフィー)をしました。フラスコ内の物質を取り出すための新しい実験器具も使わせていただきました。その器具は、ミクロスパチュラよりもとても効率が良かったです。

 最後の週末は、萬井さんがいろいろな場所に連れていってくださいました。週末には、地区ごとに小さなマーケットが開催されているらしく、ピーチマーケットに行きました。名前とは違ってピーチはあまりありませんでした。その後、萬井さんの知り合いの家族と合流してボートの大会を見に行きました。最後の夕食はタイ料理のレストランに行きました。ご飯の盛り付け方がとても面白かったし、とてもおいしかったです。
 フラスコ内の物質を取り出しています
 
 カラムクラマトグラフィー
 
 学生さんと一緒に
  
 萬井さんと
 
 化学棟の前で
 



レポート⑧帰国編

 帰国日当日は、早朝5時にホテルを出発し、空港に向かいました。まず荷物を預けるところで小さなトラブルもありましたが、なんとか無事に飛行機に乗り込みました。でも、1時間が経過しても飛行機が飛ばず、しばらくすると「出発が遅れる」というアナウンスが流れ、飛行機から降ろされました。乗り継ぎ便に間に合わなくなりそうだったので、スタッフさんに聞いてみましたが、とても冷たい返答でした。日本の航空会社の素晴らしさをとても深く感じました。
 結局、到着先であるシカゴが悪天候のため、その日は遅れて一便だけ飛びましたが、私はそれに乗せてもらえませんでした。しかし、航空会社のミスで荷物だけはシカゴに行ってしまうという大トラブルです。その日に帰ることはできず、その日の晩は、再び萬井先生のお宅にお世話になってしまいました。

 翌日、早朝に家を出発し、ハートフォードからシカゴに向かいました。今度は無事に飛行機に乗れました。シカゴ空港での乗り継ぎでは国際線と国内線の間は何のチェックもなく、行き来は自由だったし、税関もなくパスポートをチェックされることもなく、とても不思議な感じでした。
 今度は大きなトラブルに巻き込まれることもなく、シカゴを出発し無事に日本に到着することができました。荷物も、萬井先生の奥様がハートフォードの空港のスタッフと交渉してくださったおかげで、成田空港で受け取ることができました。

 日本に帰ってきてまず感じたことは、何を食べてもおいしいことです。自分の味覚がおかしくなったのかと思ったくらいです。アメリカの食べ物はどれも高カロリーで、味も日本のものと全く違っており、そのような中で約40日過ごしたのだなと実感しました。
 今思い返せば、長かったようであっという間の40日間でした。いろいろな面でと協力をしてくださった萬井先生を始めとする、すべての方々に大変感謝しています。また、今回の貴重な経験をたくさんの人に伝えていきたいと思います。
 シカゴ空港の様子