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高大接続・高大連携

1 高大接続
(1)愛媛大学の高大接続科目で単位取得

【目的】愛媛大学と連携し、高大接続科目を設置することによって、生徒の学習意欲を向上させるとともに、大学の学びにおいて求められる能力を実践的に身に付ける。

【概要】愛媛大学は平成27 年度に文部科学省大学教育再生加速(AP)プログラムの一環として、高大接続科目「ことばの世界」を設置し、高校生が大学の英語の授業を受けられるようになった。希望者は愛媛大学に放課後、週1回8週通う。平成28年度からは、科目等履修生として愛媛大学の単位を修得できるようになった。さらに、平成30 年から「数学入門」が開講され、本校の生徒が受講している。

 
【内容】
高大接続科目「ことばの世界」10月~
平成29年度は、2、3年生の希望者が愛媛大学の主題探究型科目(教養科目)を高大接続科目として受講し、17名が単位を修得した。

高大接続科目「数学入門」3月~
平成29年度は、2、3年生の希望者が愛媛大学の学問分野別科目(教養科目)を高大接続科目として受講し、7名が単位を修得した。
【成果】高大接続科目「ことばの世界」は、受講した生徒の感想によると「高校の授業に比べ、予習が大変だったが、熱心に取り組んだ」「周りのレベルが高いので、意欲的に学習した」という意見が見られ、好評であった。講義の内容や難易度も、高校生に配慮しつつ、大学の学習を体験できるものであった。今後、愛媛大学への進学率や進学後の単位申請などの追跡調査を行い、高大接続にどのように資するかを検証する。

(2)広島大学、愛媛大学のグローバルサイエンスキャンパス(GSC)で専門的研究を実施
◆グローバルサイエンスキャンパス広島(GSC広島)
本校理数科2年木村凪さんが、平成30年度広島大学グローバルサイエンスキャンプ(GSC広島)において、ホップステージから厳しい競争を勝ち抜いて、ステップステージに選抜され、継続して広島大学に通い、プログラムを受講しています。8月に行われたセミナーでは、広島大学大学院生物圏科学研究科の西堀正英先生の「GSCの目的と課題研究」、Christopher Knobler先生の英語によるポスター指導、コベルコ建機株式会社によるセミナーなどを受講し、視野を広げることができました。

  

◆愛媛大学GSC(eGS グローバルサイエンスパス)
愛媛大学が平成30年度から実施する「愛媛大学グローバルサイエンスキャンパス-愛媛で学び、世界を目指せ!!」に本校生徒が応募し、選考で残った16名が受講することになり、平成30年9月15日の第1回の講座から受講しています。今後、約1年半継続する学習プログラムを受講し、将来グローバルに活躍する次代の科学技術人材を目指します。
 

2 高大連携事業
①高大連携授業 生物
セントラルドグマについて関心を持ち、無細胞タンパク質合成について学習する。大学の研究施設を見学し、バイオテクノロジーについて学ぶ。
◆内容 対象 理数科1 年生 
◆場所 愛媛大学プロテオサイエンスセンター
◆活動内容
愛媛大学の林秀則教授から、セントラルドグマの仕組みや、コムギ胚芽を利用した無細胞タンパク質合成についての講義を受けた。実際に生徒一人1セットの実験キットを使って、卓上のマイクロチューブ内にてオワンクラゲ由来のGFP を発現させ、ブラックライトでその発現を確認した。後半は、4研究室から2研究室を選択し、研究室の見学をした。赤血球にマラリアを感染さえた様子を確認したり、タンパク質の電気泳動の様子を見たり、最先端技術に触れる時間となった。
 

②高大連携授業 地学
科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。地球環境に関する新しい知見を広め考察できる基礎力を養成する。
◆内容 対象 理数科1年生 場所 愛媛大学理学部
◆活動内容
愛媛大学教授である亀山真典先生による「物理の目で地球や惑星の中をみる」というテーマで、地球深部に関する講義が行われた。理数科1年生は、地学の授業を履修していない。そのため、前日のサイエンスクラブで地震波解析と地球内部の構造についての基礎内容を学習した。講義では、地球の表層からマントル、核など地球深部の化学的・物理的性質や構造など、最新の研究成果を踏まえながら説明がなされた。その後、4つの班に分かれて、研究生の引率による施設見学を行った。愛媛大学の特徴である超高圧高温実験装置をはじめ、化学分析装置やX 線結晶構造解析装置について、それぞれの仕組みや測定方法の説明を受けた。            
 

③ 高大連携授業 物理
電磁誘導に関する現象の観察や学習を通して、科学に対する興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせることができる。
◆内容 対象 理数科1年生  場所 松山南高等学校 物理第2実験室
◆活動内容
愛媛大学大学院理工学研究科の神森達雄准教授を本校にお招きし、「電磁誘導と超伝導」の講義をして「マイスナー効果」の観察後、超伝導現象に関する実験をしていただいた。前半の講義では、ネオジム磁石が銅製・真鍮製の筒の中に落下する様子や、磁石が銅製の斜面を
すべり下りる様子を通して、電磁誘導という現象について説明をしていただいた。また、その磁石を使って手を触れずに大きなアルミニウム円盤を回したり、逆に円盤上に磁石を置き円盤を回転させたりする実験を通して電磁誘導に関する知識を深めることができた。また、後半は超伝導体を液体窒素によって冷却し、超伝導状態にすることで磁石を宙に浮かせる「マイスナー効果」の観察を行った。ほとんどの生徒がこの現象を実際に見るのは初めてで、大変興味深そうに観察していた。電磁誘導や超伝導現象は非常に高度な内容であるが、実験・観察を交えながらの分かりやすい説明で、生徒も難しい内容をよく理解できたようであった。仮説にある研究者・技術者の素養を身に付けるという点でも満足できる内容であった。
 

④ 高大連携授業 化学
科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。高大連携を通して、環境科学に関する新しい知見や地球環境問題について考察できる基礎力を養成する。
◆内容 対象 理数科1年生 
場所 愛媛大学城北キャンパス(生物環境試料バンク・理学部研究室)
◆活動内容
沿岸環境センター国末達也教授の講演を聞いた。内容は、内分泌攪乱物質についての世界の現状・動物にどのような影響を与えているかであった。講演終了後、二班に分かれ、理学部の研究室と、生物環境試料バンクの見学を行った。理学部の研究室では、学生や院生が実際に実験装置を用いて実験を行う様子を見ることができた。また生物環境試料バンクでは、世界中から集められた1500種、10万点の動物の標本が保存されている。凍ったペンギンやスジイルカも触ることでき、生徒は興味深そうに観察したり、質問したりしていた。
 

⑤ 高大連携授業 数学
大学の数学に触れることにより、視野を広げ考を深める。また、高校から大学への数学の接続について考える。
◆内容 対象 理数科2年生 場所 松山南高校会議室
◆活動内容
「無限の“個数”を考える」というテーマで、愛媛大学の山内貴光准教授に講義をしていただいた。演習も取り入れていただき、個別学習、協働学習、一斉学習の順で、生徒は思考を深めていった。いきなり大学の内容に入るのではなく、高校で習ったことから大学数学への入口を丁寧に教えていただいた。普段考えない「数」や「個数」についての意味を考えることで、数学の概念を育み、ものの見方・考え方が深まった。生徒は大変意欲的に、興味深く取り組んだ。
 

⑥ 高大連携授業 農学部
大学での授業や研究施設の見学を通して科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。
◆内容 対象 理数科2年生  場所 愛媛大学農学部
◆活動内容
9月14 日(木)に愛媛大学農学部で高大連携授業が行われた。農学部内には大規模にトマトを栽培する植物工場の施設がある。この施設では農作物の安定した供給を図るために、人間が長年農業をして培った光や温度、水の加減といった「勘」を機械的に管理しようという研究が進められている。日本の大学に附属した植物工場は3校しかない。中でも愛媛大学は大学発のベンチャー企業「PLANT DATA JAPAN」を設立するなど、熱心に取り組んでいる。講義をしてくださった高山弘太郎準教は高校生の目線に立ち、物理的なアプローチから成り立つ農業の魅力について丁寧に教えてくださった。植物工場内では、試作を重ねて実用化された分析機器が実際に動いている様子を観察した。生徒らからは青色の光は植物にとって有効だが、人間の目には悪影響があるのではないか?などの質問がなされた。生徒たちはこの講義を通して「食」に関わる研究の重要性をしっかり学んでいた

⑦ 高大連携授業 医学部
大学での授業や研究施設の見学を通して科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせる。
◆内容 対象 理数科2年生  場所 愛媛大学医学部
◆活動内容
まず、臨床腫瘍学講座 薬師神 芳洋 教授から「日本人の2人に1人(50%)が「がん」になる時代です」というテーマで、がんの特性とがん治療に伴って生じる様々な問題について、御指導いただいた。続いて、分子心血管生物・薬理学講座 茂木 正樹 准教授から「日頃の疑問を解き明かそう!「医学部での研究紹介」」というテーマで、医学部における臨床医療と基礎研究の関連性や、血管の老化と生活習慣病、脳の老化とは何か、について御指導いただいた。限られた時間ではあったが質疑も活発に行われた。講義後は、5つの部門に分かれてプロテオサイエンスセンターを見学させていただいた。
 

⑧高大連携授業 工学部

大学教員による講義や実習を通して科学に興味・関心を持たせるとともに、創造性や独創性のある研究者・技術者の素養を身に付けさせるとともに、工学に関する知識について考察し、今後の学習活動や学校生活に生かす態度を身に付けさせる。
◆内容 対象 理数科2年生 場所 愛媛大学工学部
◆活動内容
工学部機械工学科の水上孝一助教に「先端材料と非破壊検査」及び「先端材料」に関する講義をしていただくとともに、実験の体験を行った。講義では非破壊検査とは何か、から始まり、検査の重要性を身近な例を通した説明があり、材料力学の観点から材料が壊れていくメカニズムや工業で用いられる非破壊検査の方法について専門的な内容をわかりやすく説明していただいた。先端材料については、近年、機械等の軽量化や低コスト化のため役立つ素材であり、今後の開発が期待されている炭素繊維強化プラスチックに関する内容の講義をしていただいた。実験では、工業分野で用いられる「渦電流探傷実験法」を先生方の指導の下、生徒が実際に体験した。表面に傷をつけた金属板を紙で覆い、コイルに起こる電磁誘導を利用して傷の位置を特定する実験を行った。生徒は、物理の授業で学習した内容が検査に利用されていることを肌で感じることができ、とても感銘を受けていた。講義の最後には大学での学びについて、工学部と理学部の違いや機械工学での学習内容、また学問を進めていく上での重要な心構えなど、先生自身の経験を交えたアドバイスをしていただいた。
 

3 大学生支援プログラム(理数系教員育成支援プログラム)

 これまで、愛媛大学との高大連携事業を16年間にわたって実施してきました。以前の高大連携事業は、講義や施設見学、研究室体験など大学側から高校への支援に偏りがちでしたが、平成22年度からは高校側からの大学支援の可能性についての研究にも取り組んでいます。本年度は下記のプログラムを用意し、大学生の皆さんの参加協力を得ながら高大連携事業に取り組んでまいります。学部・学科は問いませんので、積極的に参加していただけると幸いです。
  

【目的】 
 将来、理数系教員を目指す大学生の皆さんに、高校生を対象とした実験・実習をメインとする学習活動の指導を一緒に体験していただきます。このプログラムが次世代の指導者を育成する一助になることを期待しています。松山南高校では、理数系教科の素養を高めるため、理数科1年生を対象に、放課後に週1回「サイエンスクラブ」という50分間の課外授業を実施しています。理数科ならではの実験・実習とその工夫の仕方、生徒の興味や反応の様子を直接見ることができ、その場で生徒や教師と質疑応答することも可能です。将来理数系教員を目指す学生にとって、授業中心の教育実習では体験できない貴重な経験になると思います。また、授業後に簡単なアンケートを実施し、今後のSSH事業の取組に反映していこうと考えています。

申込書はこちらです

平成30年10月3日(水)に1年理数科の課外授業「サイエンスクラブ(SC)」の時間を利用して、表記のプログラムを実施しました。このプログラムは理数系教員を目指す大学生・大学院生とともに実験講座を指導するという内容です。例年SSH事業(高大連携事業)の一環として行っています。今年は、生物講座に愛媛大学大学院の西條慎祐さんにお越しいただき、以下の実験講座を指導していただきました。生物と化学の科目の垣根を越えて、幅広い視野で探究することの大切さを学びました。既習事項を発展させることができ、大変有意義な講座になりました。
<テーマ> 酵母菌のパスツール効果
<実験指導> 愛媛大学大学院教育学研究科 教科教育専攻 自然科学コース 理科教育専修  西條 慎祐 さん
(他5名の学生さんがアシスタントとして参加してくださいました)