《松山南SSH事業におけるデータサイエンスの取組》
「データサイエンスによる課題研究の取組」
AI戦略2019における教育改革では、膨大なデータが産出される時代において、我が国が国際競争力を強化し、成長・発展し続けていくためには、数理・データサイエンス等を文理を越えて全学部の学生が共通に身に付ける必要性が示されている。来たるべきデータサイエンス全員教育の時代に先駆けて、高等学校において、産学と連携したデータサイエンスによる課題研究を実施し、文理の枠を越えたデータ利活用人材(Generalist)を全校体制で育成する。
本校では、普通科全生徒に課題研究を、新たに設置した学校設定科目「データサイエンス(DS)」で取り組ませ、課題解決の手法に様々な統計処理を行わせることで、論理的で説得力のある課題解決策が提案できるようする。また、理数科の生徒にも「データサイエンス」に取り組ませ、データ処理の方法を身に付けさせる。

◆高等学校データサイエンス教育研究会(高校生のためのDS教育コンソーシアム)に本校も研究メンバーとして参加し、データサイエンス教育の教材の提供・普及に貢献しています ※令和3年度、新規に実施した「1校3社が連携して取り組む購買ビッグデータを活用したデータマーケティング プログラム教育」はこちらです(松山南高校と、株式会社フジ、セキ株式会社、データマーケティングの株式会社True Dataの3企業は、連携してデータマーケティングプログラム教育を実施します) 「データサイエンスⅠ(DSⅠ)」,「データサイエンスⅡ(DSⅡ)」,「データサイエンスⅢ(DSⅢ)」
導入段階としてビッグデータホルダー企業である(株)True Dataと連携し、企業が所有する購買データ(ID-POSデータ)を用い、興味・関心を持たせながら買い物という身近なデータに関する統計処理を学ばせ、論理的な顧客動向分析を行わせる。
その後、人口動態、産業構造、観光資源等を可視化できるWebアプリケーションであるRESAS(地域経済分析システム)を用い、各自が設定したテーマで課題研究を実施する。
2年次には、生徒が考える日本や地域の様々な課題(防災、人口、子育て、医療、観光、高齢化等)を解決する具体的な方法を政府統計ポータルサイトe-Stat、自治体のオープンデータ等を用いて提案させる。
このような課題研究を全校生徒に取り組ませることで、新しい価値を創生するために必要な幅広い視野や多角的なものの考え方、柔軟な発想力、論理的思考力を養い、教科横断的で文系、理系の枠を越えたデータ利活用人材を育成していく。
◆統計的課題研究の取組
e-Stat(政府統計の総合窓口)、jSTATMAP(地図で見る統計)

RESAS(地域経済分析システム)
◆統計的探究プロセス(PPDACサイクル)
①STEP1 Problem(問題)
テーマを設定し、そこでの課題を考え、具体的に問題をとらえる。
②STEP2 Plan(計画)
①問題の重要度を測る指標、その変動に影響を与える要因系の指標を決定する。
②明らかにしたい仮説を設定する。
③必要なデータや統計資料は何かを考え、その収集計画を立てる。
➃分析の見通しを立てる。
③STEP3 Data(データ収集) ①データや統計資料を集める。
②データテーブルに整理する。
➃STEP4 Analysis(分析)
表やグラフを作成したり、代表値を計算したりして、データや統計資料をまとめる。
分析では、「全体の傾向をみる」「条件の違いやグループに分けて、比較する」「2つの変数の関連性をみる」「2つの変数の因果関係をみる」「時間経過による変化をみる」「対象を分類する」などを行う。
⑤STEP5 Conclusion(結論)
①分析の結果を読み取る。
②最初の仮説に対して判断する。
③問題の解決策を提案する。
※「データで学ぶ!統計・データサイエンス活用授業のための教材」(日本統計学会 統計教育分科会)へのリンクはこちらです。

学校設定科目「データサイエンス」教材
〇「データサイエンスⅠ」
「愛媛×ビッグデータ~えひめの未来をデータで考える~」
〇データサイエンスⅠ「オリエンテーション」 PDFデータ PowerPointデータ
〇データサイエンスⅠ「RESASを使ってみよう」PDFデータ PowerPointデータ
〇データサイエンスⅠ「PPDACサイクルを体験してみよう」PDFデータ PowerPointデータ
〇「データサイエンスⅡ」 「分野別課題研究 アイディアづくり」
〇データサイエンスⅡ「オリエンテーション アイディアづくり」 PDFデータ PowerPointデータ
〇「データサイエンス ワークシート」
〇「PPDACサイクルとは」 PDFデータ Wordデータ 〇「地域課題を考えよう ワークシート」 PDFデータ Wordデータ 〇「地域課題の解決策を提案 ワークシート」 PDFデータ Wordデータ 〇「PPDACによる地域課題の解決策の例④ テーマ(南海トラフ地震に備えて~指定避難所と医療体制について~)」PDFデータ Wordデータ 〇「PPDACによる地域課題の解決策の例⑤ テーマ(南海トラフ地震に備えて~指定避難所と医療体制について~)」PDFデータ Wordデータ
◆「一人一台端末」を活用した 学校設定科目「データサイエンス」の取組
松山南高校では、令和3年度から、普通科の各学年、1組から8組までの8クラスを同時開講し、各教室の学習系WiFiに接続した約320台の一人一台端末を用いて課題研究の実施、論文作成、ポスター作成、プレゼンテーション作成を行うことにしています。〇1年生普通科 学校設定科目「データサイエンスⅠ」
令和3年5月26日(水)
1年生のデータサイエンスⅠの課題研究もいよいよ本格的に始動です。中間考査まではデータサイエンスやRESASの使い方などを学んできました。