釉薬は、陶器・磁器の表面をコーティングするガラス層のことであり、「うわぐすり」とも呼ばれる。役割として、ただ焼き物を装飾するだけでなく、強
度を上げたり、汚れにくくしたりもする。上左図のAのように、釉薬(うわぐすり)は、基本的に透明なガラス層である。
今回、イチョウを用いて開発しようと挑戦したのは、Bのように釉薬そのものが発色する釉薬である。
また、上右図のAのように、一般的な釉薬は、主原料、媒熔材、補助剤の三つからなる。主原料に長石、媒熔材に植物灰、補助剤に藁灰を使用するのが一般的である。補助剤は主原料、媒熔材だけでは釉薬として機能しない場合に使用されるが、後の実験よりイチョウを用いた場合、補助剤が特に必要ないと考えら
れたので、Bのように、本研究では主原料に福島長石、媒熔材と補助剤にイチョウの灰を使用することとした。これを以下基礎釉とする。また、釉薬は、焼成方法や、焼成温度によって透明感、質感、発色に影響が出る。今回は自然をイメージできる色で表面が滑らかな質感の釉薬を作ることを目標とし、砥部分校デザイン科と協働してアクセサリー(ブローチ)の開発を行った。
〇東京家政大学「生活をテーマとする研究・作品コンクール」 優秀賞(全国1位相当)
高校生が考える新しい発想の砥部焼 ― イチョウの灰を使った釉薬によるアクセサリーの商品開発 ―新しい釉薬の開発のための基礎研究
砥部分校での試作
釉薬に関する先進校視察訪問(佐賀県立有田工業高校) 8月1日、2日、釉薬に関する先進校視察として、佐賀県立有田工業高校を訪問し、セラミック科の先生方に釉薬の研究についてお話を聞かせていただきました。 《研究成果の発表》第43回全国高等学校総合文化祭自然科学部門(佐賀県) 令和元年7月27日(土)~29日(月)の間、佐賀大学本庄キャンパスで開催され、本校理数科3年イチョウ班が、愛媛県代表として研究発表に参加しました。 イチョウ班は「イチョウの灰を使った釉薬の開発」のテーマについて、これまで約2年間行ってきた研究の成果を発表しました。研究発表やポスター発表では、さまざまな分野の研究の発表を聞き、質問をしたり、いろいろな話をして交流を深めたりすることができました。 結果として、イチョウ班が研究発表 化学部門において、奨励賞(4位に相当)を受賞することができました。 外部サイトでの紹介はこちらです。 これまでたくさんの方々の協力を得て進めてきた研究の成果を、このような晴れの舞台で発表でき、とても幸せだと感じました。今後は研究論文をまとめ、次のステージでチャレンジをしていきたいと考えています。 分校との共同研究のこれまでの取組(活動ブログ)※クリックするとそれぞれの活動の様子が見られます。H30年度◆11月10日(土)砥部分校文化祭でイチョウの釉薬発表 ◆11月6日(火)梅の実の灰に興味深い発色! ◆11月3日(土)七折梅の葉っぱ集め@梅ちゃんズ◆9月27日(木)ウメファミリー活動開始◆9月27日(水)文化祭でイチョウ班が発表◆9月20日(木)砥部分校の里「七折の梅」を使った研究開始◆8月3日(金)銀杏の剪定◆8月1日(水)・2日(木)砥部焼班、先進校視察(佐賀県立有田工業高等学校)へ◆7月9日(月)燃やした黄葉の灰の水簸が完了、これから乾燥◆6月21日(木)砥部町のえんどう窯訪問◆6月14日(木)砥部分校の同窓会長 池田富士夫さんに釉薬の作り方について御指導H29年度◆1月29日 高校生が考える新しい発想の砥部焼』、SSHテーマ「銀杏を使った釉薬づくり」の途中経過◆12月22日 段ボール7箱分の黄葉銀杏の燃焼 ◆12月8日 SSH砥部焼班は銀杏の乾燥◆12月8日 銀杏の釉薬を作る本格的な活動を開始◆11月21日 砥部分校と理数科SSHの共同研究